自然と暮らす まほなび
◇牛と共に71年。全身全霊で育成したおいしい肉が自慢
○/金井畜産 代表 金井啓作さん
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1910 金井畜産 代表 金井啓作さん 牧場長 金井文利さん
1910 金井畜産 代表 金井啓作さん 牧場長 金井文利さん
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1910 金井畜産 代表 金井啓作さん 牧場長 金井文利さん
1910 金井畜産 代表 金井啓作さん 牧場長 金井文利さん
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「子どもの頃から人間よりも牛が好きだった」と、公言するほどの牛好きが高じ、奈良県最大級の肉牛牧場・金井畜産を経営するのは、金井啓作さん(71)。宇陀市室生の山間部、三重県名張市との県境に5万坪1600頭の牧場を営む。

 育てているのは、奈良県のブランド牛「大和牛」とアンガス牛、交雑種、ホルスタインに加え、近年のヘルシー志向に合わせた赤身肉の「まほろば赤牛」だ。

 22年前に入社し、牧場長を務める甥の金井文利さん(42)をはじめ10人の牛飼いさんたちの朝は、7時の見回りから始まる。「社長は、5時からですよ」と文利さんが伯父を見て優しく笑う。見るからに穏やかでシャイなお2人、狂牛病や牛肉偽造事件など大変な危機をも、牛への絶大な愛情で乗り越えてきた自信に裏打ちされた優しさなのだろうか。

 1頭1頭、牛の状態を見る。目力、耳は垂れていないか、便の色や尿の勢い、風邪を引いて咳や鼻水は出ていないかなど、全身をくまなくチェックする。「牛は、しゃべれんからな。人間の赤ちゃんと同じ。牛からのサインを見逃さないことが大事やな。元気なやつは、起きて背伸びをして、いいおならをする」

 ひと回りするのに3時間はかかるという。その後の餌やりが午前中続き、午後は、床にたまった糞などを片付ける床出し清掃やオリジナル飼料づくりに明け暮れる。

 飼料は、牧草と配合飼料におからとモヤシかす(商品規格品外のモヤシ)を混ぜるのが金井畜産流。大豆タンパクが体にいいのは牛も同じだ。牛種によって、配合割合を変えるが、コストを抑えつつ、食品ロス防止にも一役買っている。

 標高550〜650mの高原は、きれいな空気と水に恵まれている。風通しのよい開放的な牛舎で育てられる牛は、ストレスも少なく、それだけ健康で安全、おいしい肉に育つ。品評会でも数々の受賞暦を持ち、平成30年には、第42回大和牛枝肉共励会で見事優秀賞に輝いた。令和になってすぐにも優良賞を取る。
 大和牛が銘柄牛として確立したのは、2003年。松阪牛や神戸牛にも負けない肉として成長しつつある。金井畜産でも、最高の大和牛の生産に力を入れていた。が、5〜6年前のこと、久々に里帰りした娘さんに大和牛の最高級の肉を振る舞ったところ、「食べにくいから要らん。赤身の方がいい」と。

 それがきっかけで、2015年、赤牛の飼育も始めた。脂が少なくてあっさりしているが、牛肉本来の旨みや甘みが強いのが特長で、「まほろば赤牛」としてブランド化、奈良の名シェフたちの食指も動かしている。

 だが、「やっぱり、関西は霜降り神話が根強い。サシが入ってないとあかんねん。俺ら団塊の世代から次世代交替したら嗜好も変わって、受け入れられるんだろうけどなぁ」と、肉の味をわかってもらえないことへの悔しさを言葉にする啓作さん。今は、肉の購買者10人に1人程度のファンだが、近未来に期待する。

 啓作さんは、1回3時間の見回りを、朝、昼、夕と日に3回、片時も牛から離れない。自宅がある五條市よりも、牧場に寝泊りするほうが多い。お産のときは、牛舎に寝る。「99歳まで生きて、リニアカーに乗りたい。そして、最期は牛小屋で迎える」と笑った。

1910 金井畜産 代表 金井啓作さん 牧場長 金井文利さん
金井畜産 代表 金井啓作さん/KANAI KEISAKU
1948年、新潟県生まれ。中学卒業後、家業を継ぐため五條市の精肉店へ修業就職。22歳で卸し店として独立。32歳で念願の牧場を持つ。200頭から始めた牛飼い業は、5万坪1600頭、奈良県のブランド肉「大和牛」は奈良県一の飼育頭数に。現在は健康和牛「まほろば赤牛」の飼育にも力を入れ、2018年暮れ、大和郡山市に直営食肉店をオープン。
金井畜産
[牧場] TEL 0745-92-3634 宇陀市室生上笠間3814
[本社] TEL 0747-22-2236 五條市五條2-6-25
[金井精肉店] TEL 0743-59-5529 大和郡山市筒井町951-1
営業:9:00〜18:45(水曜定休)
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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