自然と暮らす まほなび
◇ノスタルジックな日常の一コマが生む多世代交流を
○/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
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1811 ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
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裸電球が灯る幅60〜70?の小さな木造駅舎。コカコーラの赤い自販機が置かれ、板壁には、東京オリンピック(1964)のポスターが貼られている。中をのぞくと、商品の陳列ケースが置かれた売店があり、畳の宿直室が付いている。ホームには、大村崑さんとオロナミンC、松山容子さんとボンカレーのポスターや看板などが掛かっている。

 これは、昭和39年当時の箸尾駅(広陵町)を1/24スケールで再現したジオラマだ。作者は、ミニチュア・ドールハウス作家の植田定信ことシック・スカートさん。大和鉄道開通100周年を記念して、近鉄に移行した頃の駅舎だという。「資料が残っていなかったので、すべて聞き取り取材をしました」。売店をやっていた人の姪御さんをはじめ、当時を知っているお年寄りたちから、「入り口は階段やのうてスロープやった」「宿直室があったで」「踏み切りはなかった…」との声を一つひとつ形にしていった。「楽しかったです、そのやり取りが」

 シックさんの前職は大手食肉チェーン店の社員。初めは肉を切っては陳列して売る仕事。そのカットと盛りつけ次第で肉の売り上げが全く異なり、誰よりもキレイに盛り付けることが生きがいのような毎日だった。「今思えば、それが、この道に入った原点だったんです」。大阪の本社勤務となり週休2日、暇ができて子どもの頃熱中したプラモデルを始めた。風景ジオラマの模型コンテストに出品したらいきなり大阪大会で優勝、その後も次々と賞を取った。
そのうち、既成のプラモデルではなく、一から自分で作り上げる楽しさを求めるようになった。名古屋のドールハウス作家の巨匠の勧めもあり、3〜4年前、奈良漬の老舗「いせ弥」(宇陀市)の店舗を製作。全くの独学だった。店の主からの聞き取りはもちろん、町の歴史を学び、店の前を流れる側溝の蓋石や鉄板など、古い町並みの現存品を見て回った。そして、初のドールハウス作品は、比類のない独創性で大好評を博した。

 日常の出来事や風景を瞬間的に切り取った作品、そして「皆さんの記憶に残るぐらい(昭和以降)のレトロな風景」が得意だ。うっかり落とした卵パック、壊れた卵の黄身がどろ〜り。溶けたアイスキャンデーに群がるアリ、ゴミペールのうす汚れ感や、紙くずに残る絵や文字、リアルだ。「生活感を大事にしたいんです。人物を置かないのもそう。ストーリーを決めたくない。これを見たおじいちゃん、おばあちゃんとお父さん、お母さん、そして子世代のコミュニケーションの流れにつながり、それぞれに物語を紡いでくれたら、と思うから」

 雑誌や菓子箱などは縮小コピー、畳は職人さんに習い、麦の穂を裂いて織った。編物は母親に教わり、レース糸を竹串で編む。何を見ても「これ、何かに使えへんかな? コレとアレ、組み合わせたらどうなる?」と考えるのが楽しいという。

 天性のような器用さとアイデアで一躍、作家となり、講師となったシックさんだが、「持っている技術は、人に伝えたい」と言う。たとえば、奈良の木材の廃材などを利用した木工教室で、修理や小物作りの共同作業を通じて、高齢者と若者が生活の知恵などを交換・交流できる場になればと話す。「祭や伝統行事などの文化をミニチュアの形で伝承していくなど、社会のお役に立てるような活動ができれば」と、創作にかける夢と思いが膨らんでいく。
1811 ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん/SADANOBU UEDA
1962年橿原市生まれ。地元の学校を卒業後、大手食肉チェーン店へ就職。プラモデルの模型コンテスト初参加での大阪大会優勝を機に、ミニチュア製作の道へ。ドールハウス共に作家として、教室講師や個展等で活躍中。
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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