自然と暮らす まほなび
◇『知即愛』の心で 挑み歩き続ける
○/歴史研究家 長田光男さん
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1804 歴史研究家 長田光男さん
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 大和郡山市、矢田寺大門坊の境内に安置される石造十三仏像。これは墓地整備のときに偶然に地中から掘り出されたものだ。『光秀』の銘があることから、寄進者は明智光秀との噂も出たが、何度も夫婦で矢田寺にお参りしていた郡山城主・豊臣秀長の室、藤(後の光秀尼)が秀長亡き後、供養のために造立したものとの説で大和郡山市指定文化財に指定された。

「どんなものも、その価値を知らなければ石ころ同然だ。また価値を正しく認識することで、より大事にせなあかんという思いが増し、さらには愛情が生まれる。これが『知即愛』です」と話すのは、この説を導いた歴史研究家の長田光男さんだ。

 大正14年、五條市生まれ。青春時代は学徒動員により造船所で働き、軍隊に入隊。爆雷を抱えて戦車に特攻する猛訓練の日々だった。「終戦の日、命あることが夢のようだった」とその経験を振り返る。在籍していた師範学校では十分に学ぶことができず、通信教育を受けて教師となった。命・平和の大切さを子どもたちに伝えることをテーマに40年間教師を勤めた。

 御年92歳、メモ帳を片手に東西南北、遺跡や古社寺、民俗行事などの取材に出かける。多い日は1日約10?を歩くという。原稿や資料作りは全て手書きにこだわり、知り得た知識は世のため人のために広く伝える。「”歩く・書く・トーク“。これが私の毎日のテーマ”三クの健康法“です」

 長田さんの歴史取材の原点は中学生の頃、授業で訪れた本薬師寺にある。「東塔の心礎を前に、ここにお釈迦さまの舎利が納められ、その上に柱が立っていたと先生が説明してくれました。その情景が目に浮かび深く感動しました。今でも鮮明に覚えていますよ」
この経験を基に、長田さんの講座の多くは教室での座学と現地への歴史探訪がセットになっている。事前にはテーマとなる場所へ取材に行き、寺の住職や地元住民に声を掛ける。何気なく立っているお地蔵さまに深い意味があったり、独特の風習があったり、地域の伝承などは地元の人との出会いから知り得ることが多い。こうして足で得た知識に文献資料を折り込んで、手書きでまとめ講座で話す。参加者を現地へ案内するときは、取材時に出会った人に話をしてもらうこともあるという。「歴史講座はまさに、知即愛。何も知らなかった参加者が、私の解説によって目が輝く瞬間を感じるんです。こうして価値あるものが守り伝えられるのでしょう」。長田さんの深い知識と確かな歴史観、ユーモアのある講義は口コミで広がり、シニアの会や公民館講座、大学での講義へと広がっていった。講師を務める会の一つ『三の丸歴史愛好会』は2016年に講座数500回を超えている。

 また、大和郡山市・川西町の文化財審議会でもその知は活きる。矢田寺大門坊の石造十三仏像他、川西町の油かけ地蔵など、数多くの隠れた文化財の発見やその審議も『知即愛』の心で挑んでいる。

「幼い頃から老いるまで、人は学び続けることが大切です。しっかり学べば世のため人のために何をなすべきかがわかる。『知行合一』、さらに行動を起こしてこそ知は完成する」と、長田さんは歩き続ける。
1804 歴史研究家 長田光男さん
歴史研究家 長田光男さん/MITSUO OSADA
925年五條市生まれ。92歳。奈良教育大学教育学部附属小学校副校長を定年退職。平成4年から「三の丸歴史愛好会」の講師を務める。現在、大和郡山市文化財審議会会長、磯城郡川西町文化財保護審議会会長。戦争の語り部としても活躍している。
三の丸歴史愛好会
☎090-3778-4403(同会会長・安江恵子)
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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