自然と暮らす まほなび
◇森をつなぐ伝道師
○人形作家/岡本 道康 さん
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1610_人形作家 岡本 道康 さん
1610_人形作家 岡本 道康 さん
1610_人形作家 岡本 道康 さん
1610_人形作家 岡本 道康 さん
1610_人形作家 岡本 道康 さん
1610_人形作家 岡本 道康 さん
1610_人形作家 岡本 道康 さん
1610_人形作家 岡本 道康 さん
1610_人形作家 岡本 道康 さん
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森や河原で遊ぶ子どもたち。孫と釣りをするおじいちゃん、里山の風景に溶け込んだ人形たちに思わずほほえんでしまう。これは、人形作家・岡本道康さんの作品だ。吉野割箸の木くずを利用した粘土『森のねんどの物語』を考案し、作品を通じて森からのメッセージを伝えている。
京都府北部の山村で生まれた。幼少期は野山を遊び場に過ごした岡本さんだが、小学生の頃に兵庫県西宮市に移り住み、大阪万博後の刻々と変わる街の中で生きてきた。エネルギーが石炭から石油に代わり、日本は豊かさを求めて発展していった。しかし、山村や商店街など廃れていく所もあった。大学で経済学を学んでいたが、「バランスが崩れている。本当の豊かさとは何だろう」と違和感を覚えた。物づくりが好きな岡本さんは大学を辞め、「自然と調和した、日本の美しい姿を表現したい」と人形制作を開始。動く人形も作りたいと電子制御の仕事に携わり技術を習得した。工場の自動制御システム装置を始め、名古屋のリニア・鉄道博物館にある巨大ジオラマの自動制御装置も手掛けるほどに。
電子制御の仕事の傍ら、人形制作は続けた。市販の木の粘土に好みの木くずや白い粘土を混ぜ素材の追求もした。ある日、ふと「裏の割り箸屋さんは毎日、たくさんの木くずを燃やしているよ」と吉野の知人が言っていたことを思い出した。割り箸は、柱など建材用にカットした木の端材を利用し“自然の恵みを無駄にしない”という想いから生まれた物。「これだ! 気候風土に適し、素材の持つストーリーも含め私が探し求めていたもの」
すぐに粘土制作の専門家に開発の協力を依頼し割り箸木くずを利用した粘土の開発を始めた。しかし、配合やコストなど問題は山積。「商品化が進めば新たな産業サイクルが生まれる。山の暮らしにいい循環が生まれるのでは」と希望も込める。つまずく度に、森の恵みを生かした素材を作り未来につなげたいという想いは増していった。
試行錯誤の末、昨年『森のねんどの物語』は完成。美しい白木の割箸木くずは、人形に自然な素肌と豊かな表情を与え、見る人に雨の降った後の土の匂い、森の風の音、山村で暮らす人々や精霊たちの声を連想させる。また、吉野の山や川、製材所で作品の撮影を行い一冊の本を制作。この物語を手に、各地でのイベントなどでワークショップを開催するなど活動の幅を広げている。
今後はより自然に近い素材開発を続け、楽しく森の仕組みを感じられるような教材用の粘土キットなどを販売計画中だ。「木を植えて山を守る。木を集めて製材し、端材を集めて割り箸にする。そんな山の仕事や生活の営みが森を美しくする。この人形や粘土に触れることで、森や木のことを思うきっかけになれば」岡本さんの目には、穏やかに生活する未来の世界が映っていた。
1610_人形作家 岡本 道康 さん
人形作家/岡本 道康 さん
Michiyasu Okamoto
1969年、京都府生まれ。1993年商店街活性化・阿倍野SOHOアートプロジェクトに参加し、その後、人形作家としてデビュー。その傍ら、電子制御会社に勤務し、自動制御システム製作に携わる。2015年吉野の割りばしの木くずを利用した粘土『森のねんどの物語』を考案。動く人形やジオラマ作品なども発表する。
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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