自然と暮らす まほなび
◇緑と清流の山里で 村の魅力を発信するアメリカ人
○/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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1807 通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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「…谷の向こうの山は奥深い影になり、石灰色の空に負けなかった…」(『上流の日々 』♯2―三百段―」)。川上村の自然や日常を美しい日本語で紡ぐアメリカ人、それがエリック・マタレーゼさんだ。

 エリックさんは、ロサンゼルスに生まれ育った。高校のとき「親の知らないこと、干渉されないことをやろう!」と、日系アメリカ人の多い地域だったこともあり日本語を選択。4年生のとき、村上春樹作品に出会いハマる。カリフォルニア大学に進み、日本語を専攻、4回生の時『1Q84』が出て「これはもう日本語で読むしかない」と。同志社大学(今出川キャンパス)に留学、京都市内のマンションに住んだ。

 卒業後、岐阜の中学校で英語教師を2年勤めた後、京都に戻る。半導体の会社で通訳や書類の翻訳をしながら、友人のフェイスブックで知った川上村を時折訪れていた。日本の文化と係わる仕事がしたいと思っていたとき、川上村が募集していた地域おこし協力隊を知り応募して合格、2016年6月から協力隊員として活動しつつ、通訳や翻訳、「anaguma文庫(旧オイデ文庫)」と名づけた自宅の書斎でライター業に励んでいる。

 同年の11月からは、村の広報紙『かわかみ』に折り込まれる『オイデ新聞』を編集発行中だ。「オイデ」は「いらっしゃい」の意。村のニュースや、自分が体験したこと・感じたことなどを英語と日本語で記事にする。「スーパーもコンビニもない地域の、インターネットを使わない村民向けに、村の伝統のすばらしさや自然の美しさなどを僕の感じたままに伝えたい。ここに来たことがない人にも魅力を感じてもらえたら」と語る。

 住まいは、村役場から南へ車で約15分、吉野川の支流・上多古川沿いの斜面にある上多古。34世帯54人が暮らす小さな集落だ。そのほとんどが高齢者。300段上の高台には、住人たちが毎月掃除をし、大晦日には徹夜詣でをする大年神社、川沿いには「上多古の東屋」と呼ぶ住人たちの憩いと交流の場がある。持ち寄った手料理とお酒で村の歴史のことなど会話が弾むという。
協力隊事業は、エリックさん移住の3年前からで、住民の理解もあり、何よりエリックさんの人柄で、区長をはじめ土地の人とのなじみも早かった。「おかずをおすそ分けしてくれるなど、みんな優しいです。フェイスブックやラインなどSNSによらない生の交流が楽しい」

 協力隊の仕事の一つに土曜の朝市「やまいき市」がある。村で生産された野菜や、吉野川・紀の川の流域で作られたものの仕入れや販売を担当する。「お年寄りが日照りの日も雪の日も斜面の畑で励む姿に感動します」。扱う野菜をおろそかにはできないと気合が入る。

 村に定住して3年目を迎え、多くの村民との出会いがあった。祭や行事への参加や手伝いで、日本独特の文化も垣間見る。それらを『上流の日々』という小冊子(現在第2部を上梓)にまとめた。

   杉や檜の林立する深い森、巨大で美しい大滝ダム湖を中心とする吉野川・紀の川の源流部の自然、伝統行事、村人との交流…、体験したこと、魂を揺さぶられた様子などが見たまま感じたままに素直で誠実な言葉で綴られている。

「ここは吉野林業500年、南朝の舞台であり、さらに記紀万葉の時代まで遡る歴史を持つところ。村民も歴史を大切にしているし、その話の中で、山々の特別な力のことを耳にします」とスピリチュアルな世界に心を馳せ、「単なる村自慢にならないよう気をつけながら、僕が感じた村の魅力を伝えられたら」と、未知なる深みを探ろうとする輝きに満ちたまなざしと笑顔を見せた。
1807 通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん/Eric Matarrese
1986年ロサンゼルス生まれ。高校で日本語を学び始め、村上春樹作品との出会いから大学では日本語を専攻し、同志社大学に留学。岐阜で2年の英語教師を経て、2016年6月から川上村地域おこし協力隊員として活動しながら翻訳・通訳・文筆業に励む。
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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