自然と暮らす まほなび
◇クモと付き合い40年 世界中を驚嘆させた研究者
○奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
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1704_奈良県立医科大学 名誉教授 大𥔎 茂芳 さん
1704_奈良県立医科大学 名誉教授 大𥔎 茂芳 さん
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1704_奈良県立医科大学 名誉教授 大𥔎 茂芳 さん
1704_奈良県立医科大学 名誉教授 大𥔎 茂芳 さん
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”深みのあるやわらかな音色“と音楽家が評価し、世界中を驚かせたバイオリンがある。なんと、このバイオリンの弦は約1万本のオオジョロウグモの”クモの糸“で作られている。奏者は、クモの糸を研究する大𥔎茂芳さんだ。
この快挙は約40年前、大𥔎さんが企業の研究員として粘着紙の研究をしていたころ、粘着の視点から視野を広げクモの巣を調べたことから始まる。当時、クモの研究は分類学が多く、クモの糸の研究は世界的にほとんど行われていなかった。研究となるとクモの採集や糸取りのため、フィールドワークも必要となる。「興味を持つ人がいなかったのだろう。誰も研究していないことと、自宅でもできる研究というのが趣味にちょうどよかった」。大𥔎さんはクモの糸を”趣味“としての研究対象とした。
家族旅行は高知、鹿児島や沖縄など南国へクモ探し。「旅行といっても、私がゆっくり車を運転し、妻が道端の木々に張っているクモの巣を見つけるという具合。夢中になり過ぎて岩から滑り落ちたり、我が子をけがさせたりと悪夢の思い出も多いです」。クモの生態を理解するうちに、クモから糸を取り出すことの難しさを痛感。「クモも人と同じ。イライラしたり厳しくしたりするとヘソを曲げる。優しくし過ぎてもなめられる。クモと心を通わせるように…」。失恋し落ち込んでいた学生には、目的のクモの糸が取れなかったという逸話もあるそうだ。
クモは用途に応じて7種の糸を出す。巣を作る『横糸』、横糸を張るための『足場糸』、獲物を巻き付ける時の『捕獲糸』など。中でもクモが天井などからすーっと降りてくるときや、危機に遭遇して逃げる場合などに命綱の役割として使う『牽引糸』に着目し、物理化学的研究を行った。糸の強さ他、『2の安全則』(科学雑誌ネイチャー掲載)や信頼性の原点などを学び取ることができた。「ベールに覆われたクモの秘密を少しでも知ることができたときには、恋人に出会うがごとくの感動です」と大粼さん。
2006年、TV番組からの依頼を機に『クモの糸にぶら下がる』など、気の遠くなるような挑戦で成功を経てきた。ある休日に、車の中で聞いたロシア民謡のバイオリン曲に感動し、「クモの糸で弦が作れたら面白いな」とひらめき、新たな試みを開始した。長い糸を集めるための研究を進めると同時に、バイオリンの構造や弾き方を学ぶためにレッスンにも通った。苦労して長いクモの糸を何万本と採取してもすぐに切れるなど、しばらくは失意のどん底を味わった。
2年かけてようやく出来上がった弦は、世界最高峰の名器『ストラディバリウス』の音色と周波数解析で比べても遜色なく、音楽家からも芸術的評価を得られた。
さらに、思わぬ発見もあった。バイオリンにセットし、糸の束を捩りながら加圧する過程で、通常円柱状の糸束が多角形の糸束に変化し、繊維と繊維の隙間がなくなり、強い糸束となることがわかった。この研究成果は現在、手術用の糸や繊維など様々な分野で応用が期待され、バイオリンの音色と共に世界中の企業・研究者や音楽家に注目されている。
「本職はコラーゲンの研究で、クモは趣味。趣味は結果を誰に求められることもなく期日もない。苦労もあるけれど純粋に自分の好奇心を追究できる」。4億年前から生き、多くの謎に包まれたクモ。クモに捧げる大𥔎さんの青春はまだまだ続く。
1704_奈良県立医科大学 名誉教授 大𥔎 茂芳 さん
奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
Sigeyoshi Osaki
1946年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。製紙会社で粘着紙の研究を行う傍ら『クモの糸』研究を開始。1999年から奈良県立医科大学医学部教授に就任し『コラーゲン』の研究を行う。論文や著書は教科書や入試問題にも採用されている。2013年文部科学大臣表彰・科学技術賞、平成27年度第20回『音の匠』顕彰。
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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