自然と暮らす まほなび
◇シンプルな暮らしを味わう“いただきます”が生まれる宿
○/とようけのもり 女将 野田 知江さん
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1805 とようけのもり 女将 野田 知江さん
1805 とようけのもり 女将 野田 知江さん
1805 とようけのもり 女将 野田 知江さん
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1805 とようけのもり 女将 野田 知江さん
1805 とようけのもり 女将 野田 知江さん
1805 とようけのもり 女将 野田 知江さん
1805 とようけのもり 女将 野田 知江さん
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奈良市内から車で20分。帯解寺の東に位置する山中に、全国各地、海外からもゲストが訪れる宿がある。2人の女性が営み、自然と共にシンプルで丁寧な暮らしを楽しむ体験型宿泊施設『とようけのもり』だ。「不便だけど、私たちは豊かです」と話すのは女将の野田知江さん。

 野田さんは奈良市生まれ。都会に憧れ、学生時代は何でも西洋のモノを取り入れたいと思っていた。夢は宿泊業を営むこと。旅行でアメリカへ行ったとき、出会った他国の若者たちが自国の文化をすらすらと話す姿に衝撃を受ける。「海外のお客様を視野に入れるなら、日本のことをもっと知らなければ」と京都の老舗旅館で働き、日本文化とおもてなしの心を学んだ。その後、英語習得のために留学し、帰国後は大阪のホテルで日々忙しく働き運営を学んだ。

 そろそろ自分の宿をと考えていた頃、知人の紹介で訪ねたのが、この山中だった。この地では国際的なアーティスト・小田まゆみさんが発起人となり『とようけのもりプロジェクト』が始動していた。同プロジェクトは小田さんがハワイで開いている、自然農による農業体験を通して、平和で調和のある生き方について学ぶ場を日本でも始めようというもの。小田さんと交流の深い田中舘万奈さんが東京から移住し、2015年から荒れた土地を整備し暮らしていた。「自然に囲まれた気持ちのいい場所。でもまさかここで宿泊業をするとは思っていませんでした」と野田さん。
何かに引かれるかのように、野田さんは通い始めた。整備のため山に入れば、謎の沼に下半身がはまったこともあったが、自然の中での何もかもがどこか心地よかった。「土地の人と話をしたり、その暮らしを体験したりすることは旅の楽しみの1つ。ワイルドだけど丁寧で美しい暮らしは魅力になる」と、2016年夏『とようけのもりプロジェクト』のメンバーに加わり体験型の宿づくりを始めた。

 コンセプトは“心地いいコミュニケーション“。HPやSNSで仲間を募り、廃屋リノベーション、地形に合ったファームガーデン作り、水脈整備など、ここを実践の場としたワークショップを企画。「壁は吉野の左官屋さんから漆喰の塗り方を学び、参加者とみんなで塗って完成させました」。ここにはトップダウンはなく、それぞれが得意なことを進んでやり、苦手なことは補い合う。お互いに尊重し合いながら一緒にものづくりのプロセスを楽しんでいる。「まだまだ未完成な部分もありますが、気持ちよくお客様を迎えることができるようになりました」

 体験はコミュニティーキッチン(昼食)をメインとする。『とようけのもり』を十分に楽しんでもらうため、チェックインは10時から。ゲストも共に農作業などをした後、収穫したオーガニック野菜を中心とした食事作りを始める。薪を割り、竈に火を付け、食べ始めるまでに1時間以上をかける。「みんなでお話ししながら、下ごしらえも楽しい時間です。子どもの頃、料理をする母の横で今日あった出来事を話したように。そんな温かなコミュニティーを作りたい」と野田さん。

 食べ物は大地が育み、たくさんの人々の労働によって食卓に並ぶ。食べることが自らの力となり、病気から守ってくれる。「何でも手に入る街の暮らしの中では忘れがちですが、ここでは自然の恵みや労働への感謝を肌で感じることができます。ここでの経験を機に、食材選びや食べ方などが変わってきた親子のゲストもいます」。恵み豊かなキッチンからは心からの”いただきます“が今日も生まれている。
1805 とようけのもり 女将 野田 知江さん
とようけのもり 女将 野田 知江さん/CHIE NODA MANA TANAKADATE
1980年奈良市生まれ。宿泊業を営むことを目標に、京都老舗旅館や大阪のホテルで勤務。2016年「とようけのもり」再生プロジェクトメンバーに加わり、整備・改修を経て、2017年9月体験型宿泊施設「とようけのもり」を本格始動。
とようけのもり
0742-62-3518
奈良市山町1327
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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