自然と暮らす まほなび
◇「農」をもっと身近に  富雄で300年になる米農家の挑戦
○農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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1611_奈良市/大野 收一郎 さん
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奈良県北西部を流れる一級河川、富雄川。かつてこの川沿い流域は盛んな稲作地域だった。1911年にイタリアで開催された「万国産業博覧会」に出品された富雄産の米は日本を代表して金賞(最高賞)を受賞したほど。現在は奈良市有数の住宅地域となったこの富雄の町で米を作り、守り、新たに発展させようと奮闘しているのが就農3年目の大野收一郎さんだ。
大野さんの家は300年以上続く米農家。3歳までは飼い牛が田の代掻きをしており、米作りを手伝いながら育った。高校生になって米や酒の配達アルバイトで初めて給料をもらったとき、実家の米の年間売り上げと比べて愕然としたという。「このままでは結婚して生計を立てられないのではと、思いました」
大学卒業後、サラリーマンとなり、大阪から東京へと転勤。IT関係企業役員を勤め、仕事に没頭する日々を送っていた。「その頃は、終電まで働いたり土日も仕事したり、外食ばかりしていたからか、日光アレルギーを発症してつらかった。家庭を持ち、妻の手料理を食べるようになってからは軽くなってきました」
父が亡くなり、2人の子を持ち、43歳を迎えた2011年、東日本大震災が起こった。「スーパーから物がなくなって、私たちが食べていたものはどこかの農家さんが作ってくれていたものなんだ、と改めて実感しました。と同時に、子どもたちに安全なものを食べさせてあげられるのか不安になりました。その時に目に浮かんだのが実家の田んぼでした」
翌年、大野さんは富雄に帰り、翌々年には農業の専門学校へも通いながら、田んぼへ。育てる米に地元の誇りになる名前がほしいと思案を重ね、生まれたのが「金鵄米」だ。日本書紀の“金の鵄が舞い降りた地”の伝説から名付けられた。「食べてくれる人に直接届けたい、と思っています。それで無人販売所の“米屋”と、母と妻の案で“マルシェ(市)”を始めました」
実家の納屋で開いた“米屋”では、「金鵄米」と大野さんが企画開発した米粉の「古都華クッキー」のほか、畑で採れた有機野菜が並ぶ。現在、帯解でも野菜を作り、大和伝統野菜などにも挑戦中だ。「『農家です』というのは正直おこがましいと感じています。米しか作っていなかったし、前職の仕事も続けている。でも、これからもっと野菜なども育てて、それをこの町の人にも知ってもらいたい」
その思いに一役買っているのが、不定期開催している「田んぼdeマルシェ」。育てた野菜や米の販売ほか、自然志向のパン屋や雑貨屋の出店、ヨガやDJ、おんぶ紐講座などのイベントを開催して、近隣のお母さんたちや子どもたちと交流する場になっている。
19年前、地元の三碓小学校校長と先代との縁から始めた小学5年生の児童らとの米作り体験を引き継ぎ、米作りの親子体験も開催。「この体験を通じて、食べている米や野菜への興味をより広げてほしい」と願う。 「田んぼにいると、ここで米を作り続けてきた父や祖父の気持ちがだんだんと分かる気がします」
大野さんが守る田んぼの風景は、近隣の人にとって心を癒やしてくれる大切な場となっている。地産の滋味を手渡ししたいと、農で生きる道を模索する日々だ。
1611_奈良市/大野 收一郎 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
Shuichiro Oono
1968年、奈良市三碓に生まれ、大学卒業後、電話会社に就職。東京に転勤後IT企業に転職、結婚。2011年の東日本大震災をきっかけにUターン。米作りを受け継ぎ、前職も兼業しながら、新たに野菜作りを始める。妻と一男二女、母親で田畑を守る。
農家のお米屋おおの
奈良市三碓1-12-20
TEL/080-6530-1555

●金鵄米ネットShop
https://okome.thebase.in/

●田んぼdeマルシェ
https://www.facebook.com/tanbodemarche
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
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TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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