自然と暮らす まほなび
◇田原の里山に木蓮の樹木園を夢見る 花咲か“爺”トリオ
○/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
makican
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
makican
奈良市の旧市街から東へ車で約20分、奈良市茗荷町の里山約3.5?に、木蓮の樹木園が育ちつつある。2010年から足掛け8年、約2百種3千本の木蓮をコツコツと植え続けているのは、奈良市に住み、それぞれに社会で活躍中の沢井啓祐氏(71)、三家昌興氏(71)、松本陽一氏(66)だ。

 3人は、遷都千三百年祭での東京のアンテナショップ事業時の知り合い。「何か奈良のためになることをしたいな。自然の中でレストランとか開けたらええな」との思いから、松本氏の持ち山をその拠点に決定。氏の先祖が杉や桧の植林をしていたが、近年は手入れもできず人も入らず荒れる一方だった里山だ。杉・桧を伐採し、林道をつけ、木蓮の苗木を東京の安行・久留米・稲沢など、数少ない木蓮専門産地へ仕入れに行った。

 毎年11月〜3月にかけ、谷、斜面、尾根へと数百本単位の苗木を植えては、その育ち具合を診る生活が始まった。ヨーロッパやアメリカには立派な木蓮園があるが、日本には皆無と言ってよく、専門書もない。洋書を拾い読みした。モデルがないからすべてが試行錯誤だ。植えたものの根付かない、根付いては枯れる、新芽を鹿やイノシシに食べられる、の繰り返しが続く。
3人は、樹木医の三家さんを頼りにそろって、あるいは別々に、本業の合間を縫ってほぼ毎日通う。水遣りや下草刈り、施肥や消毒と、作業はキリがない。酷暑の夏には、毎日2000?余の水を運んでは潅水した。一巡するのに3日を費やしたとか。「やってみんとわからんことがたくさんある。壁に当たっては、『さあ、どうしよう』の繰り返し(笑)」

 そんななか、沢井氏や三家氏は、それぞれに小屋を建て、栗や柿、柚子、桑など実の成る木を植え、シイタケ栽培も同時進行。沢井氏は、伐採した木を再生するため炭焼き窯も造った。作業に疲れたら、そこで午睡や炭焼きBBQなどを楽しむ。「作業はエンドレスで疲れるけど楽しい。息抜きかな、ここでの時間は」

 松本氏は現場から徒歩5分のふもとにある、実家で奈良市指定文化財「松本邸」の門屋を改装、3人が集える基地とした。

「尾根や斜面より、谷側のほうがよう育つな」「ここが”白い谷“(白い花木で埋めた谷)だ」……。ドローン撮影のパネルを見ながら男たちの話は尽きない。

 木蓮は、接木だとクローンのように同じものばかりなので、種類を増やすために三家氏は実生の苗木も育てる。「過去(原始時代も?)の遺伝子が残っていてとんでもない花が咲く可能性もある。”田原“とか”茗荷“品種誕生か」と妄想(本人弁)を膨らませる。

 8年がたって里山の随所に花は咲き始めた。だが3人が目指す樹木園にはまだ遠い。10年先20年先、木蓮の木は20〜30?のツリー型に育つはずだという。花期は4月初旬頃〜7月上旬、標高420〜460?の中高地では、遅霜の心配もある。白い花は、霜で茶色く朽ちるのだ。虫害・鹿害・猪害…、それでも3人は続ける。

「荒れてた里山に人気がしてきました」と目を細める松本氏。「ここの茗荷町にしてもそうですが、奈良の東部には、鹿野園とか誓多林、忍辱山など仏教用語が多い。仏教聖地だったということですよね。そんなところに”木の蓮“の園。だから「華坊主の里」。こじつけかな、ははは」と笑うのは沢井氏。

「早よ、咲け〜。俺らあんまり時間がないんじゃ〜」と吠えながらも空を突く木蓮の木立に花が咲き香る姿を夢見るナイストリオだ。
1901 自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
自給倶楽部「華坊主の里」沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん/Sawai Keisuke Matsumoto Youichi Mitsuya Masaoki
沢井啓祐さん
実業印刷株式会社 代表取締役会長、活版工房「丹」代表取締役奈良市

三家昌興さん
田原地区自治連合会会長、前奈良市茗荷郵便局長、田原やま里博物館「松本邸」館長

松本陽一さん
樹木医登録第64号、ランドスケープデザイナー(造園設計家)、株式会社アースワーク代表取締役
makican
makican
/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
makican
/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
makican
/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
makican
/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
makican
/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
makican
/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
makican
/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
makican
/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
makican
/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
makican
/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
makican
合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
makican
古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
makican
奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
makican
奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
makican
有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
makican
人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
makican
makican
ページのTOPへ