自然と暮らす まほなび
◇鉋で描く、下市での新たな一歩
○下市木工舎 「市 ichi」 代表 /森 幸太郎 さん
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1504 下市町/森 幸太郎 さん
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1504 下市町/森 幸太郎 さん
1504 下市町/森 幸太郎 さん
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1504 下市町/森 幸太郎 さん
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1504 下市町/森 幸太郎 さん
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吉野郡の北西部に位置する下市町。総面積の79%が森林で、割箸や三宝などの伝統産業が盛んなこの地は、かつて吉野と大和平野を結ぶ要として栄え、人や物が行き交う市(いち)が立っていた。ここに昨年末、新たに誕生したのが、下市木工舎「市 ichi」。代表の森幸太郎さんと研修生4人が共同生活を送りながら、吉野杉を生かした鉋仕上げによる家具を広めようと、家具作りを行っている。
森さんは京都府出身。奈良の高等技術専門学校で木工を学んだ後、訪ね歩いた兵庫県三木市の徳永家具工房で鉋仕上げの手法と出合った。木の表面をこねるように擦り、傷をつけてしまう紙やすりに対し、鉋は表面を刃で切るため、艶が出て木目や細胞をくっきりと残せるのが特長。「鉋は木の良さを一番に引き出せる、日本独自の仕上げです。今まで見てきたものと違う、これをやってみたいと思ってすぐに頼み込み、何とか弟子入りしました」
工房に「吉野杉で机を作ってほしい」と注文が入ったのは、それから3年余り過ぎた頃。本来、材質の軟らかさから家具作りに不向きとされていた杉。しかし、いざ手に取ると森さんら職人はその質の良さに驚かされたという。500年にわたり植林され、代々人の思いの籠もった吉野杉は、木目が均一で美しく、まさに日本の誇る技術。「日本にしかない鉋、そして、吉野杉。日本が培ってきた技術を、家具という形で伝えたい」。彼らの思いにリンクするように、奈良県や下市町から吉野杉の活用をとの声がかかり、徳永家具工房の新しい工房建設が奈良に決まる。森さんは、身に付けた鉋の腕を生かす次のステップとして、また木工を学んだ奈良への恩返しの気持ちから、新工房の代表として下市町へやってきた。
鉋技術を伝え広めようと研修生を募ると、全国から40人もの応募があった。「やりたい人はそれだけいるってことですよね。環境さえあれば、どこでも仕事を生むことができるんです」。今回受け入れた4人の研修生のうち、2人は県内、あとの2人は東京、静岡からやってきた。年齢は皆20、30代と若手。「好きな木工を通じて、地元の奈良で働きたい」「生きているように感じられる木の魅力にはまった。素晴らしい鉋技術をもっと広め、木工業界を変えたい」と強い志を持ち、2年の研修期間で技術習得を目指している。
現在制作しているのは、背もたれと座面に吉野杉、脚に頑丈なケヤキを使用した椅子。豆鉋、反り鉋や南京鉋など、大きさや形の様々な鉋を使い分けて手作業で仕上げる。その椅子に長時間座ってもおしりが痛くなりにくいのは、杉の軟らかさと人の手が生む曲線から。機械には作り出せない人の動きが描くからこそ、人の生活によりなじむのだ。「できた時が一番きれいなんじゃなくて、使い込んでこそもっと良くなっていくものを」と、森さんは研修生に何度も繰り返し話す。
「ゆくゆくは、下市町の誇る特産品として広げたいです。研修後も仕事ができる場所を町内に作り、『市 ichi』ではまた新しい研修生が鉋技術を学ぶ場として連鎖していけば」
下市町の新しい「市」として、人が集まり、新たなモノを発信する拠点。その第一歩の「ichi」に、と願いを込めて名付けられたこの工房で、今まさに、森さんと未来の職人たちがその一歩を踏み出したばかりだ。
1504 下市町/森 幸太郎 さん
下市木工舎 「市 ichi」 代表 /森 幸太郎 さん
Kotaro Mori
1975年生まれ、京都府出身。徳永家具工房で鉋技術を習得し、現在は下市木工舎「市 ichi」で4人の研修生を指導。下市町地域おこし協力隊員。
下市木工舎「市 ichi」
吉野郡下市町阿知賀61
TEL 0747-68-9118
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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