自然と暮らす まほなび
◇消えゆく美しい日本の風景を未来に残したい
○棚田の宿 ささゆり庵 庵主 /松林 哲司 さん
makican
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
makican
ほんの30年前まで、辺りの草むらに可憐な姿を見せていた日本原種のササユリ。気象変動や環境悪化の影響により今では希少となった花を、未来に残そうとしている所がある。
近年、ササユリの里として「にほんの里100選」「ユネスコ未来遺産」にも選ばれた宇陀市室生の深野地区。室生赤目青山国定公園の山並みを一望できる標高約450mの山肌に、昔ながらの棚田が広がる風光明媚な山里だ。全戸数37戸の小さな集落で、過疎高齢化が進む時世ながらも、空き家はゼロ。移住希望が相次ぎ、待機者が出るほどの人気ぶりである。
そんな深野で、新たに一輪のササユリが開花の時を迎えた。一棟貸しの宿として2014年9月に開業した「ささゆり庵」。茅葺きの古民家を母屋に、蔵と草屋根の別棟が隣接する、伊賀・東大和地域の伝統的な農家家屋様式の宿だ。
庵主の松林哲司さんは、深野から車で15分ほどの名張市に在住。かつてインドやネパールなどを放浪した際、自然が生みだす山にひ惹かれたことから、絶景の山々を眺めながら快適にくつろげる場所を作ろうと、宿の経営を目指した。通勤道で見かけていた深野は、松林さんにとってまさに理想郷。集落の中でも高地にある築約150年の古民家が目に留まり、「天空の絶景を楽しむ、大人の隠れ屋敷」をテーマに、1年以上かけて改装した。
「50年ほど前、私が子どもの頃はどこも茅葺き屋根でした」。かつては年ごとに各家を回り、皆で葺き替えをしていたが、高齢化や自然破壊による茅不足、地域コミュニティの消失などが原因で今ではほとんどが瓦屋根に代替。「鉄とコンクリートの無機質な建物が連立し、どこも同じ景色に見える現代。そんな日本に慣れた若者や都心部の人に、もう一度日本の伝統を味わってもらいたい」と、茅葺きを未来に残すべく、茅の葺き替え技術が伝承されている京都美山町から職人を呼び、古民家再生にこだわり抜いた。
深野がササユリの里として有名になったのは、日本原種のササユリが咲く田舎の原風景を保とうと、住民が「深野ササユリ保存会」を結成し、集落を挙げて活動してきた賜物だ。代表を務める北森義卿さんの思いに、松林さんは共感。消えゆく日本の伝統や風景を象徴する茅葺き屋根が、この地のササユリと重なった。そこで、宿を「ささゆり庵」と命名。北森さんも屋号を快諾し、母屋前の斜面にササユリを植えてくれた。
「ササユリの里として注目され、空き家ゼロとはいえ、70代が若手の地域。10年、20年後はどうなっているかわからない。次世代の若者が帰ってきたくなるように、日本一を目指して住みよい所にしないと」。松林さんは、大阪で経営していた貿易会社を宿の隣に移設。インターネット環境さえ整っていれば田舎でもビジネスが成り立つことを実証し、「山人(やまと)庵」として会議室の貸し出しも行っている。
そのほか、新しいサイクリングロードの企画や、美しい景観を残すための電柱の地中化案など、地域創生に精を出す。「この地で3軒は宿を開き、温泉も掘り当てたいね。文化財や遺産だけを守り継ぐのではなく、日本本来の生活や生き方も次世代に残していければ」
囲炉裏のある大広間に居ながらにして、眼前に望める大パノラマ。夏は緑の絨毯の棚田、冬は雪化粧を施した山々、夜には満点の星空が待っている。「ここは、人々が忘れかけた日本に戻れる場所。今となってはぜいたく贅沢な伝統家屋で家族や仲間と過ごし、日本っていいよね、と思う日本人や外国人がもっと増えてほしいです」
1502 宇陀市室生/松林 哲司 さん
棚田の宿 ささゆり庵 庵主 /松林 哲司 さん
Tetsuji Matsubayashi
1960年生まれ、淡路島出身。名張市在住。ベンチャーケミカル株式会社代表取締役。宇陀市室生深野で棚田の宿「ささゆり庵」を運営。
棚田の宿 ささゆり庵
1日1組様限定の茅葺き古民家別荘宿。囲炉裏に火を灯し、料理しながら室生赤目青山の峰々の絶景を眼前に楽しめる。冷暖房、床暖房、水洗トイレ完備で快適。飲食持ち込み・自炊可、要予約でケータリング(夕食)可

宇陀市室生深野656
(近鉄名張駅または赤目口駅まで無料送迎あり)
TEL 0745-88-9402
sasayuri-ann.jp [English版 stayjapan.jp
¥:1泊6,000円〜17,000円/大人1人
 (シーズン・人数によって異なる)
定員:10人まで(10人以上は要相談)
makican
makican
/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
makican
/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
makican
/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
makican
/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
makican
/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
makican
/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
makican
/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
makican
/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
makican
/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
makican
/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
makican
合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
makican
古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
makican
奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
makican
奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
makican
有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
makican
人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
makican
makican
ページのTOPへ