自然と暮らす まほなび
◇過疎の村の 人と自然に溶け込み 気負わずハートフルなケア
○保健師/俊成輝子さん
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1304 野迫川村/俊成 輝子さん
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1304 野迫川村/俊成 輝子さん
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1304 野迫川村/俊成 輝子さん
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「あんた、飲みすぎよ。顔に肝臓が悪いサインが出とる」と軽くにらまれると、「はあ〜、またお目玉いただきました。これでも気ぃつけよるんよ」と、感謝しながらの軽口。村で出会った初老の男性と俊成輝子さんの会話だ。
「何しか不安なのよぉ」。介護認定の申請に来た老母とその娘の訴えに、終始笑顔で相づちを打ちつつ耳を傾け、「年いったらみんなそうなるんよ。しんどいときはがんばらんで、元気になったらやりゃいい」と、支援や介護申請についての相談に乗る。
奈良県の西南部、高野山に隣接し、奥高野と呼ばれる野迫川村。総面積の9割以上を山林や清流が占め、わずか508人の村民が、川筋に沿って点々と住まう。小学生16人、中学生5人、高齢化率43.9%という過疎の村で17年間、保健師として村民の健康増進に尽力してきたのが俊成さんだ。
南国土佐生まれ、高知県内の保健師専門学校を卒業後、大阪府下の民間病院で看護師や保健師として働く。医師、看護師、栄養士それぞれの専門職はいるがトータルに語れる人はおらず、総合ケアの難しさを感じていた。また、看護学校実習生の時の経験から、医療は入院中だけではなく、日常生活のケア(未病)が大事なんだとの思いを強く持っていた。そんな時、村が保健師を募っていると知り、採用試験に臨む。雪を知らなかった彼女だが、赴任後1、2か月は連日雪。「こりゃすごいところだ。続くだろうか」と、雪道を通ったという。
仕事は、乳幼児から高齢者までの定期健診、予防注射、健康相談、育児指導、保育所での虫歯予防教室、高齢者の介護や施設入所の相談・認定、予算要求や補助金申請までと幅広い。「忙しいけれど、住民一人ひとりの顔、名前から健康状態、家庭事情に至るまでわかる村で、思うようにやれるのが面白いし、やりがいがあります」と。
着任当時、健診者の3割が肥満(全国平均2割)。車に頼った生活と、手が届くところに食べ物がある(貯蔵品)ことが原因だと思われた。予防教室を開催し、運動不足解消のため歩くこと、過食の戒めを呼びかけた。最初は「食べんと力が出ん」と抵抗した村人だったが、根気よく説得し続けた結果、「おかげで体調が良うなったよぅ」と礼を言ってくれる人も現れた。
その地域に根ざした取り組みが認められ、今春、地域医療に長年貢献した人に贈られる「第41回医療功労賞」(読売新聞社主催、厚生労働省、日本テレビ放送網後援、エーザイ(株)協賛)に選ばれた。「この人は村の財産よ」「不安や悩みを丁寧に聞いてくれて、元気づけ安心させてくれる」と、村に溶け込み、なくてはならない存在の人として評が高い。
「医療が遠い(診療所があるのみ)ために、最期まで村で、という願いがかなわないのが弱点」と悩みつつも、朝から晩まで笑顔で村内を駆け回る。そんな毎日の彼女の癒やしの一つは、飼い犬との散歩。2011年秋の台風12号豪雨災害で被災し転居を余儀なくされた住民から託された犬だ。いま一つは、村の自然。「ここは山を見上げるのではなく見下ろせるところ。秋の雲海をはじめ、絶景ポイントがいっぱい」と目を細める。
1304 野迫川村/俊成 輝子さん
保健師/俊成輝子さん
Toshinari Teruko
1955年、高知市生まれ、高知県内の保健師専門学校卒業後、大阪府の民間病院で看護師や保健師として勤務。1995年、野迫川村の保健師として就職、現在に至る。
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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