自然と暮らす まほなび
◇月ヶ瀬産ならではの味を求め紅茶栽培に挑む夫婦
○月ヶ瀬健康茶園/岩田 文明 さん ルナ さん
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1106 月ヶ瀬/岩田 文明さん ルナさん
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 大和茶の産地で知られる奈良市月ヶ瀬。山あいの斜面をうねるように茶畑が広がり、新芽の季節には、まるで淡い黄緑色のじゅうたんを敷き詰めたかのような風景になる。朝もやの中に浮かび上がる茶畑は、絶景そのものだ。
 その茶畑を横目に、車1台分ほどの道幅をガタゴトと音を立てて突き進むと、突然目の前に、巨大な岩が出現した。整備された茶畑の山肌に、大きな岩が数個むき出したような状態だ。そして、1本の柿の木が枝を広げ、周囲に樹齢数年の若い茶樹が植えられている。急斜面を駆け上がり、岩から岩へと飛び移りたくなるような、そんな冒険心をくすぐられる景色だ。
「これからが楽しみな畑です」。笑いながら話すのは、紅茶栽培に挑む「月ヶ瀬健康茶園」の岩田文明さんとルナさん夫婦だ。遊び心が顔を出すような土地の特徴を活かして、「茶畑の迷路を作ろうと、子どもたちと一緒にルートを考えながら茶樹を植えた」と話す。さらに、親子で茶摘み体験もできるなど楽しめる紅茶畑にしたいと続けた。
 岩田さん一家は先祖代々続く茶農家。文明さんが会社員時代、イギリスで飲んだ喉越しの良い紅茶の味が忘れられず、11年前に家業を継ぐと同時に、手探り状態で紅茶栽培を始めた。「茶農家なのになぜ紅茶を作らないのか」という友人の言葉に後押しされたとも。妻のルナさんは夫をサポートして8年目を迎える。
 最初は古文書を取り寄せて読み込み、資料通りに作業して茶葉を計測し、各工程のタイミングを体で覚え込んだ。一番苦労したことは、茶葉を乾燥させて、しおらす加減や、酸化発酵させるためにちょうど良い揉み加減など。いつも不安だったと苦笑いする。
「食べると違いがよくわかりますよ」。ルナさんがニコッと笑みを浮かべ、茶畑から新芽の先を摘んで差し出した。強い渋みが口の中を覆い尽くす。「この渋みが紅茶の良さです」と文明さん。扱う品種は緑茶品種を紅茶に加工する「春摘み」(一番摘み)と「夏摘み」(二番摘み)、紅茶品種の「べにふうき」「べにひかり」「べにほまれ」の計5種類だ。
 日本産紅茶はダージリンやアッサムの系統を受け継ぎながらも、一味違った個性豊かな味わいが特徴だという。この味わいを存分に楽しめるような茶器を工夫したり、飲み方もストレート以外にハーブや蜂蜜を加えるなどのアレンジティーを提案したりするなど、夢は果てない。また、茶畑を眺めながら紅茶を楽しめる「ティーガーデン」も計画中だ。
 何よりも紅茶葉作りで大切にしていることは、無農薬で化学肥料を使わない有機栽培の徹底。自然と体が求めるような、飲むほどに飲みたくなる月ヶ瀬産紅茶ならではの味と香りを求めて、夫婦の挑戦は続く。
1106 月ヶ瀬/岩田 文明さん ルナさん
月ヶ瀬健康茶園/岩田 文明 さん ルナ さん
Fumiaki Iwata
Runa
1974年、文明さんは月ヶ瀬村(現在・奈良市月ヶ瀬)に生まれる。地元の小・中学校を卒業後、県外の高校へ進学し、東京農業大学で農業工学を学ぶ。会社員時代にオーガニックのパン屋さんとの縁でルナさんと出会う。2001年に月ヶ瀬に戻り茶作りを始めた。
【月ヶ瀬健康茶園】
奈良市月ヶ瀬尾山1965
TEL/0743-92-0739
URL/http://www.tukicha.com
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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