自然と暮らす まほなび
◇草木や鳥が集う郷づくりに花鳥画の未来を託す
○日本画家・NPO法人花鳥の郷をつくる会理事長/上村 敦之さん
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1105 南山城村/上村 敦之さん
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花鳥画の権威である日本画家の上村淳之さんが、京都府南山城村にある10万坪ほどの荒山を里山に再生する計画を進めている。このほど地元住民らと共にNPOを立ち上げ、本格的に動き出した。
この土地は縁あって上村さんが取得。鳥たちが住む里山に再生したいと地元の人たちに思いを話したところ、すぐに賛同者が現れ、元小学校校長の橋本洋一さんが事務局長となり3年前に実行委員会が立ち上がった。過疎化や高齢化に悩む地元の人たちの間で、これを機に村を元気にしたいと輪が広がっている。
上村さんからの要望は「法律のない山を作ること。重機を入れて再生しないこと」。つまりルールなど作らなくても人々の善意で運営される山。思いのある人たちが集まって、チェーンソーやのこぎりを使い、自分たちの手でコツコツと作っていく里山を目指す。
「目的は花鳥画の発展に結び付けたいんです」と上村さんは話す。人が山を手入れし、草木や鳥、動物が育ち、自然界の生物多様性が生まれる。そこから花鳥画も生まれてきた。それは東アジア独特の風土だという。だがそんな自然が今失われつつある。
「それは花鳥画の危機です。もしかしたら私が世界最後の花鳥画家になるかもしれない。なんとしても後世につなげなければ」。それが里山再生への思いだ。
上村さんは、祖母・松園さん、父・松篁さんに続く、日本画家の一家。松篁さんが花鳥画を描いてきたため、幼少の頃から家には多くの鳥や小動物がおり、彼らが遊び相手であり話し相手だった。彼らにいろんなことを教わったという。自然に淳之さんも日本画家を目指すようになり美術大学に進学。画家に反対する父の元を離れ、祖母が別荘として晩年を過ごした奈良市の山陵町に引っ越し一人暮らしを始めた。1万坪の広い敷地に自分一人、そこから鳥を少しずつ飼い始め、今では250種、約1500羽が上村家に同居する。
「絵を描くより鳥の世話をしている方が好き」というほど鳥に愛情を注ぎ世話をしてきた。そのうち専門家が考えもしない奇抜な発想で、不可能とされたシギやチドリをはじめ様々な鳥の人工ふ化に成功。上村さんの元には大勢の関係者や専門家が教えを乞いにくる。
人生の大半を鳥と過ごしてきた上村さん、絵は日常の生活から生まれねばと言う。そして裸眼で捉えた世界を胸中で長い時間をかけて夢想の世界に昇華させ、その夢の世界の具現化が絵画であると結論する。「一木一草に神仏が宿り、木々も動物も人間も同じくして存在する」というのが上村さんの哲学だ。
「本物を知らないと絵は描けません。だからこそ里山を再生し、本物の自然を感じてほしいのです。自らの眼で観察し、感性で描きあげる喜びを後進に伝えることが、先人から受けついだ私の務めと思っています」。
会の活動として、現地調査ほか、探鳥会、ササユリ見学会などを開催している。再生作業については、2月末、皆で第3回目の手入れに入った。高校生もいれば、小学生、園児から高齢者まで幅広く参加。下草刈りなど根気がいるが、上村さん自ら先頭に立ち、皆と汗を流している。
上村さんの花鳥画に背景はほとんど描かれない。「この余白は空気感です。鳥たちが住む空気感。それが体感出来る里山を皆さんとともに作ります」。
1105 南山城村/上村 敦之さん
日本画家・NPO法人花鳥の郷をつくる会理事長/上村 敦之さん
Atsushi Uemura
1933年、上村松篁氏の長男として京都に生まれる。京都市立美術大学(現京都市立芸術大学)に学ぶ。1995年、日本芸術院賞受賞。昨年、平城宮跡の第一次大極殿に四神と十二支を描き上げた。日本芸術院会員。京都市立芸術大学名誉教授。創画会会員。京都市学校歴史博物館館長。(財団法人 松伯美術館 館長)
【NPO法人花鳥の郷をつくる会】
サポーター募集中
TEL・FAX/0743-93-0906(事務局:橋本)
賛助会員など受付。詳細は事務局まで。
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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