自然と暮らす まほなび
◇宇陀の山中深く、3000本のカエデに囲まれて暮らす
○カエデ研究家/矢野 正善 さん
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0910 菟田野/矢野 正善 さん
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宇陀は飛鳥時代、皇室の猟場があったとされる場所。今も豊かな自然のなか、鹿や猪が多く生息する。その山中、携帯電話も通じない場所に、矢野さんが居るカエデ圃場がある。委託しているのは「菟田野花き植木切り花研究会」。およそ5000?の敷地に約1200種3000本のカエデが植栽されており、水やりだけでも会員2人がかりで2時間半を費やす。
矢野さんはもともと、関西料理写真の草分けとして活躍したカメラマン。制作に関わった誌面は数千に及び、今も「先生」と慕う雑誌編集者は多い。カエデの研究を始めたのも、撮影に使う季節の茶花を、奈良市内の自宅の庭で栽培したのがきっかけだった。
「最初はカエデだけでなく山野草も育てていましたが、いつのまにかカエデばかりになってしまいました。これほど有名で身近な植物なのに、詳細な観察はほとんどされていない。調べようにもきちんとした資料が見つからない。それならば自分がと、軽い気持ちで研究を始めたんです」。
平成15年に撮影から編集まで自信で手がけた『カエデの本』を出版。平成18年に菟田野町からカエデ専門家として招かれ、以来この地でカエデと共に暮らしている。
一般にカエデが注目されるのは秋。それ以外の季節に関心を払う人はほとんどいない。ただ、矢野さんが一番好きなのは、春だと語る。
「カエデは秋に色づき、春は緑と思っている方が多いと思いますが、それは違います。カエデの種類は数千もあるんです。色づく時期も、品種によってさまざま。中には常緑のものや、春に鮮やかな赤い葉をつけるものもあるんです」。
語りながらも、カエデの世話に余念がない。一番の鑑賞ポイントを聞くと、色だと教えてくれた。「赤、緑、黄と、色を口で説明することはできます。ただ、赤一つとっても、燃えるような赤から神社の鳥居に使われるような赤、少し色あせ、やわらかくなった赤など様々あります。たくさんの品種を一度に見ていただければ、そういう色の違いを体感してもらえると思いますよ」。
確かに「赤」や「緑」では説明できない色の違いがある。カメラの仕事で培われた矢野さんの目を通すと、なおさらのことだろう。
目指しているのは世界一のメープルパーク。「自由に散策できる自然観光植物園を作って、世界中のカエデの原木を集めて、そこには喫茶室も設置して…」と、矢野さんの構想は尽きない。しかもその一部はすでに、旧宇多小学校の運動場や旧保育所を利用する形で実現に向け動いているそうだ。
町中の街路樹も、そろそろ色づく。圃場のカエデもまた、さまざまな色合いで、矢野さんの目を楽しませていると思う。カエデの色がこれほど多様なのは、木々が矢野さんのカメラを意識した結果ではないだろうか。
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カエデ研究家/矢野 正善 さん
Yano Masayoshi
大阪府に生まれ、奈良で育つ。写真スタジオ勤務、故入江泰吉氏の弟子などを経てフリーの料理写真家に。45歳ごろから自宅の庭で茶花の栽培を開始、やがてカエデの庭となり、『玩槭庭』と命名する。平成18年からは菟田野に移り、カエデ圃場を管理しながら研究を続ける。
【宇陀市カエデ圃場】
宇陀市菟田野宇賀志1935
見学は無料(要予約)、10:30〜16:00
TEL/0745-84-4760
http://ganshuku.cool.ne.jp
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/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/歴史研究家 長田光男さん
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竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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