自然と暮らす まほなび
◇天香久山の麓、風景と対話する画家
○画家/島本 芳伸 さん
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0908 橿原市/島本 芳伸 さん
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0908 橿原市/島本 芳伸 さん
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大和三山の一つ、香久山。藤原宮跡の南東に位置し、持統天皇らはこの山を舞台に万葉秀歌を残した。その山の麓、多武峰や吉野連山を見渡す高台に、アトリエを構える画家がいる。島本芳伸さんである。建築に当たっては整地の段階から参加、ほとんどの工程を自身でこなした。
島本さんが絵を志したのは、小学校時代の恩師の影響だったという。まだ戦後間もない当時、先生が戦争のために絵筆を置いたことを知り、それならば自分がと考えた。美大進学を希望していたが、父親が倒れたこともあり断念。奈良県商工館工芸伝習所へ入り、美術の基礎と木工とを学んだ。
「大学に進学できなかったことは残念だったけど、あのころ学んだことはとても役に立っていますよ。額縁なんかは自分で作れるし、この家もほとんど自分で作りましたから。ただその伝習所も1年半で閉所。大人はなんて勝手なんだと思いましたね」。
その後は製函の仕事をしながら、金鐘高等学校(現東大寺学園)へ入学。筒井寛秀師、守屋弘斎師ら名僧の指導を受けながら、青春時代を過ごした。
一般に、日本の絵画は一点秀作主義。特に油絵では一つの作品に数か月かける画家も少なくない。しかし島本さんは、感情の赴くまま、多数の作品を生み出す。「大学に行けなかったことのコンプレックスかな。若いころから、美大生が100枚描くなら、自分は220枚描こうという思いがあった。描きたいものがあれば、描きたいだけ描く。僕は野人ですからね」。
今まで描いた作品は数千を数える。それでもなお、絵画への情熱は尽きることがない。ほとんど独学で身につけたというその作風は力強く、生命力に満ちている。険しい山中の滝をモチーフに選ぶことも多く、70歳を過ぎた今も、愛車に画材を積み込み、山々を巡る生活を続けているそうだ。
「以前描いた同じ場所に行っても、新しい発見はいくらでもありますよ。『お前、前にこの辺描いてたけど、俺のこと描かなかったろう。こんなにいい顔しているのに』なんて聞こえたりしてね」。
島本さんの話をうかがっていると、絵を描くために必要なものは、技術よりも、対象と向き合い、対話する力なのだと気づく。「なにも遠くへ行かなければならないわけではない。アトリエから外を見て、そのドアの外、砂利の陰影が良いと思うこともある。風景というのは、季節だけでなく、描き手の気分によってもまったく違う顔を見せてくれるんです」。
アトリエには、自筆の格言がいくつも張られている。その中に”自然と楽しく過ごすことはめんどくさいことだ“というものがあった。「穴を掘ってもキャンプを楽しんでも、最後は元の姿に戻さなければいけない。当然のことです」。確かに当然のことである。
ただ、島本さんの口を介すると、不思議なほど重みを増す。風景と対話する人は、当たり前に自然と付き合う。日本中を駆け回る「野人画家」の、風格のようなものを感じた。
0908 橿原市/島本 芳伸 さん
画家/島本 芳伸 さん
Shimamoto Yoshinobu
1937年和歌山県に生まれる。6歳から奈良で暮らし、小学校で画家になることを決意、金鐘高等学校(現東大寺学園)卒業後、製函業を営みながら画家に。現在一陽会委員。また「あすか画材店」で火・土曜日に絵画教室を開催中。日本美術家連盟会員。
【アトリエ】
所/橿原市戒外町234-1
TEL/0744-23-4196
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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