自然と暮らす まほなび
◇日本人の「美のものさし」になりたい
○音楽家・尺八奏者/泉川獅道さん
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1301 葛城市當麻寺/泉川 獅道さん
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尺八というと枯れた、いぶし銀のような音色で年配の奏者が演奏するイメージだが、教室に集まっているのは小学生、女子大生、主婦や会社員から熟年まで様々。指導者は31歳という若き奏者、泉川獅道さんだ。平成23年、當麻寺中之坊の奏師号を授かり、法要では虚無僧姿で声明と合わせて音楽を捧げる。
泉川さんは、同じく中之坊奏師を任じられた米国人の尺八奏者ジョシュ・スミスさんとデュオ『黒船』を結成しオリジナルCDも出している。現在、父親の看病のため母国に帰ったスミスさんとインターネットでやり取りしながら、3枚目のアルバムを制作中だ。
泉川さんの音楽遍歴は多岐に渡る。3歳からピアノや音楽理論、作曲法、様々な楽器の演奏法を学び、絶対音感を持つ才能の持ち主。小学生で作曲を始め、なんとCD『黒船』の代表作「咲く良」は小学3年生の時作った曲だ。そんな神童も中学時代はロックに目覚め、バンドを結成。高校で洋楽からJ-POPまであらゆる音楽と楽器を経験し、自分の可能性を探した。大学では「新しい音楽が自分を待っている」と、大阪芸術大学で音楽工学を専攻、最先端の電子音響音楽を学んだ。
尺八は大学の授業で湯浅富士山師に出会い、まず合奏を勉強。人生を大きく変えたのが、虚無僧の世界的研究者である志村禅保師の独奏「鶴之巣籠」を聴いた時だ。
「何だこれはと思いました。鶴が飛んできて卵を産んで育てて最後に死ぬまでの情景が目に浮かぶんです」
尺八たった1本でオーケストラに並ぶほどの深さを見せられ、今まで学んだ音楽のすべてがぶち壊された。さらにその夏、短期留学したフランスでも大きな衝撃を受ける。それは、ヨーロッパの人々が自国の音楽の歴史や伝統楽器に非常に詳しく、それを誇りに思っていること。日本の伝統楽器についても彼らの方が詳しかったこと。「君たちはなぜ知らないんだ」という言葉に驚き恥じた。
帰国後、江戸時代、普化禅宗の僧侶・虚無僧が吹く仏教芸術としての尺八について研究を進めた。そして同じ感性で尺八を捉えるスミス氏との出会い。平成22年には2人でCDをひっさげ全国ツアーを開催。同年APEC2010奈良観光大臣会合でも演奏し、『こんなすばらしい音楽は聴いたことがない』と涙を浮かべる米国人女性高官の姿に『僕らには国境を越えてやらないといけない音楽がある』と2人で誓いあった。伝統文化を継承するため虚無僧研究会に所属して、虚無僧姿で各法要や大会にも参加している。
泉川さんの父は吉野川上村の出身、幼少の頃山で遊んだ記憶が心の奥にある。母は秋田の漁港町の出身。山村と漁村の遺伝子を持つ人間が大阪の千里ニュータウンで生まれ育ったというのも面白い。「だからこそ、美しい自然に惹かれ、DNAが目覚めたのかもしれません」
奈良は日本で一番ロマンチックな土地であり、日本人の「美のものさし」を支えている場所だという。「尺八に縁深い奈良の悠久の歴史に挑むことは、日本に生まれた一つの幸せです。僕の演奏が皆さんのものさしになれるよう精進します」
1301 葛城市當麻寺/泉川 獅道さん
音楽家・尺八奏者/泉川獅道さん
Shido Izukawa
1981年、大阪に生まれる。大阪芸術大学大学院卒業、博士号取得。尺八奏者であるとともに、作曲・編曲など音楽プロデュース全般において幅広く活躍。「アクースマティック音楽」という現代音楽においても成果を上げている日本では数少ない音楽家。大阪芸術大学非常勤講師。
直近の泉川さんの演奏
當麻寺中之坊「導き観音祈願会 音楽法要」
平成25年1月16日、2月16日 各14時〜

【問い合わせ】
當麻寺中之坊 
葛城市當麻1263
TEL/0745-48-2001(9時〜17時)
Eメール/nakanobo@taimadera.org
URL/www.taimadera.org/

【獅道尺八塾 當麻寺(中之坊)道場】
※体験レッスン
 毎月16日の、導き観音祈願会終了後 約30分
 無料(ただし中学生以上は拝観料500円要)

※グループレッスン
 第1、第3木曜日 16時〜、17時〜、18時〜
 いずれも約60分
 一般 月1回3000円、月2回5000円
 学生 月1回2000円、月2回4000円
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/酉越左官 一級左官技能士 酉越 仁さん
/印傳工房 南都 代表 南浦 太市郎さん(現代の名工/H28)
/和紅茶専門店「大仏汽茶」運営 Artsplaza(アーツプラザ株式会社) 古屋 研一郎さん
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/奈良町からくりおもちゃ館 館長 安田 真紀子さん
/奈良交通株式会社 自動車事業本部 乗合自動車部 運行受託グループ 統括指導員上條 正幸さん(ユンケル上條)
/地域おこし協力隊 下西 勇輝さん
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/きりかぶの里 代表 山崎 美重子さん
/散華美術館 館長 原田 千賀子さん
/金井畜産 代表 金井啓作さん
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/大和高原文化の会 会長 浦久保 昌宣さん
/ふくもと畳店 4代目 福本 亮さん
/山野草の里づくりの会 村上 秀夫さん
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/ならまちの引き売り 染井 大さん
/カフェ ねころん 経営 前川郁子さん
/子どもの自然の遊び場 彩雲ひろば 主宰 新井博子さん
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/蔵じまいの危機から再生、 “大和の酒”造りに挑む7代目
/農家民宿 ほったらかし家 ボランティア団体「しもまる」会員 西岡千種さん
/自給倶楽部「華坊主の里」 沢井啓祐さん 三家昌興さん 松本陽一さん
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/自然派農場しもかわ 主宰 下川 麻紀さん
/ドールハウス・ミニチュア作家 シック・スカート(植田 定信)さん
/竹アーティスト/「竹の國」代表 三橋 玄さん
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/ふくさきわう代表 的場ふくさん
/奈良民俗文化研究所 代表 鹿谷勲さん
/通訳・翻訳・ライター 川上村地域おこし協力隊員 エリック・マタレーゼさん
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/NPO法人無形文化継承機構 福住S・ジョブズ・スクール理事長 前嶋文典さん
/とようけのもり 女将 野田 知江さん
/歴史研究家 長田光男さん
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/NPO法人 メディアネット宇陀 副理事長 稗田 睦子さん
/高山茶筌 翠竹園 伝統工芸士 稲田 有節 さん
/井上 加代 さん
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合同会社 ほうせき箱 代表/平井 宗助 さん
農業家/松浦 猛さん
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古代日本茜染研究所/宮崎 明子 さん
切り絵作家/石賀 直之 さん
河内・江州音頭倶楽部 奈良躍遊会/高岡 伸和 さん
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奈良・人と自然の会/森 英雄 さん
めだか街道/枡田 秀美 さん
映像作家/保山 耕一 さん
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奈良県立医科大学 名誉教授/大𥔎 茂芳 さん
TANTANAKUY 井上工房/井上 暁 さん
竹細工職人/浦嶋 正幸 さん
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有限会社津田瑞苑/津田 和佳 さん&祥乃 さん
曽爾村役場企画課 曽爾村農林業公社事務局/髙松 和弘 さん
農家のお米屋おおの/大野 收一郎 さん
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人形作家/岡本 道康 さん
相楽木綿(さがなかもめん)伝承館代表/福岡 佐江子 さん
前鬼宿坊 小仲坊 61代目/五鬼助 義之さん 三津子さん
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